「もう返せって」
俺が後ろから取ろうとする。
「あーっ!!このサイト何っっ?」
華宮は騒ぐ。
「そ、それは見るなー!!」
「先生もこういうのに興味あったんだね―意外!!」
二人でガァガァ騒いだ。
すると30分経った頃…。
「…何やってるんですか…っ?」
教壇のほうから声が聞こえて、ビックリして二人教壇を見た。
そこに名倉先生がいた。
「先生と生徒が………」
名倉先生は後ずさりする。
「いや、名倉先生!!違いますよ!!携帯の取り合いを……」
華宮はポカンとしている。
「あ………」
「それと、ちょっと華宮相談あったみたいなんで……」
俺は営業スマイルをして名倉先生を見る。
「そ、そうだったんですか!!なんだ…………びっくりしちゃった……誤解してごめんなさい」
名倉先生は頭を下げた。
「と、とんでもない!!」
「それよりか、華宮さんを早く帰らせた方がいいですよ」
いつもの?名倉先生の笑顔に戻った。
さっきの焦りの笑みが怖かったわ。
そして名倉先生はその場を立ち去った。
「ごめんな華宮。携帯返してくれ」
「はい!」
素直に返してくれた。
「先生の下の名前なんだっけ―?」
「奏太。とか言って下の名前で呼ぶなよ」
華宮は当てはまってしまったのか、一瞬凍ってしまった。
「うん、分かってるよ―」
そう言って挨拶も何もしないで、走って帰ってしまった。