◆遊園地の支配人◆+。


そして教卓の横の机に、各教科の担任が置いてくれた教科書とノートがあった。


これを配れたら、もう家に帰ってもいいんだよな。


そうか、今日は学校初日だったか。


俺は、教科書をどんどん手に取り、端のほうの人に配っていく。
配っても配っても減らなそうな、多い教科書に分厚い教科書。


とくに保健体育が多いな。


……別に興味があるとかじゃなくってね、うん。



生徒皆に教科書を配り終えると、皆は保体の教科書を読み始めた。





「………えっと今日は皆高校三年生初日の学校だったね。僕も今日から、この学校に来て担任して、皆を変えていこうと思うんだ。だから皆……明日からもよろし……「よっしゃ帰れるー!!」

俺の声が潰された。


皆教室を出て行ってしまった。


残ったのは、華宮。


華宮でも静かになって席にちゃんと座ってるのか。


さっきまでの騒ぎ声とは全然違って、陽向のように静かになって大人しくなった。


俺はそんな華宮の横の席に座る。



「で先生、話って何―?」
どうも期待しすぎだ。

目が光ってる。


「神田についてなんだが……」

「え―!?先生ってそんな趣味だったの!?」

華宮は絶望したように頭を大袈裟におさえる。


「は、華宮………違うんだ……」

「じゃあ何?」
頬を膨らませる華宮。


「神田とクラス同じになったことあるか?」

「ずっと一緒―」

これはいいと思った。