そして廊下に出ると、神田がいた。
「どこ行ってた?」
「…………」
神田は何も言わないで教室に入った。
俺は神田の腕を握った。
「い………っ」
神田は、苦痛な顔をした。
俺は急いでその腕を見る。
袖をめくると、痛々しい傷がたくさんあった。
「…………リストカットしてる?」
「……」
神田は、俺の手を乱暴に振るい席に座った。
「せんせぇ-」
俺が教卓に行こうとしたら、華宮が目の前にいてびっくりした。
華宮はでかい目をキョロキョロさせて、髪をいじる。
しかもでかい眼鏡を外した。
「………華宮!!相談がある!放課後、教室に残っててくれないか?」
華宮の肩を掴む。
すると華宮は、頬がピンク色に染まって何か期待してるようだった。
華宮、一目惚れはしてない、ごめん。
「で?どうかしたか?」
肩を話す。
華宮がまた眼鏡をかける。
「ううんっ♪なんでもなーい♪」
そう言ってルンルン気分でスキップしながら、強烈な匂いの教室へ入っていった。
本当に期待しているようだけど……きっと華宮が予想してた話を話さないとなんも聞いてくれなさそうだな……。
俺は一つ、溜め息をした。
神田の事を思い出したらまた一つ溜め息。


