ネコガールの恋

2人は電車を降り、お喋りを続けながら
エスカレーターを上がる。

「君はどっち行くの?」

「私、改札を出たところの「怒涛流コー
 ヒー」の前で待ち合わせることになっ
 てるから。叔父さんは?」

「私はあんまり時間がないから、先に
 行くよ。

 あ、そうだ、君、友達の家に行くって
 言ってたよね、家族の人に手土産買わ
 なくていいのかい?」

という叔父の言葉に、そういえばナッツ
は、母親に見せたいと言っていたことを
思い出したネコガールは、

「あ、そうねえ、何か買っておいた方が
 いいかなあ」

と気づいた。

ネコ専務は黒い長札財布から1万円札を
1枚出し、これで買いなさいと渡して
くれた。