ネコガールの恋

「カフェ・コルム」に入り、やたら優美
に装飾されたテーブルについてメニュー
を開くと、

コルム・コーヒー     400
ヴァドハー・コーヒー   450
アリオッチ・コーヒー   500
キシオムバーグ・コーヒー 540
マベロード・コーヒー   600
クウィル・コーヒー    820
ウィスカーズ・コーヒー 1000

などなどと、聞いたこともないコーヒー
の名前がずらりと並んでいた。

店員さんを呼んで、どんなコーヒーなの
か聞こうとして店内を見渡すと、

店の壁には、片目に何か奇妙なものを
装着しているハンサムな白猫が、剣を
構えて、彼の5倍はありそうな化け猫と
対峙している絵が掛けられており、

店の中央には、「空中都市」と題された
城塞都市の模型が置かれてあった。

(どういう店なのかしら、ここ?)

店員さんを呼んで、ウィスカーズ・コー
ヒーがブルーマウンテンだと聞いたネコ
ガールはそれを注文し、

コーヒーは翼のある4つ足の猫が描かれ
た赤いカップに入れられて運ばれてきた。

ネコガールは、17時半まで「カフェ・
コルム」でエッセーを読んで時間を潰し、
店を出た。