ネコガールの恋

「あの、宮城って子いるでしょ?
 営業の」

黄色いカクテルにネズミの血を2,3滴
落とし、一口飲んだあと、何でもない
調子でナンが話し始めた。

「えっ、宮城さん? ええ、もちろん
 知ってるけど?」

「どう思う?」

ナンはネコガールの目をじっと見た。

「どうって・・優しそうな人ね。
 宮城さんがどうかしたの?」

「あたし、あの子、好きかもしれない」

ああ、そういうことか。ネコガールは
納得したが、同時に思わず苦笑して
しまった。

「あの子」とナンは言うが、たしか宮城
さんはナンより2つ3つ年上のはずで
ある。