ネコガールの恋

ネコ博士はフフッと微笑むと、

「私は、これまでに来たファンレターの
 内容はだいたい全部覚えてるよ。

 そのぐらいの記憶力がないと、ノー
 ベル賞を100個近く取ることはでき
 ないんだよ」

と堂々言い放った。ナッツは、すっご~
い!と叫び、あっという間にネコ博士に
心酔してしまった。

ネコ博士は、近くにいた若い編集者に、
君、あの本を持ってきてくれ、と頼み、

アビシニアンの編集者が持ってきた本の
裏表紙に、「ネコ博士より感謝を込めて、
安藤夏子さん江」とさらさらとサインを
書く。

ネコ博士は深みのある、その魅力的な
青い目で、ナッツの目を正面から見つめ、

「これはね、1月5日に発売される私の
 新作で、「エスパー猫ガイア・ウェイ
 ブ」シリーズの第1巻だ。

 とても面白いので、応援頼むよ」

といつもながらの自信満々で、尊敬の
まなざしで自分を見ているナッツに、
サイン本を手渡した。