ネコガールの恋

「でも、名前はネコガールさんから取っ
 たんですね! すごーい・・!!」

ナッツはいつの間にか本棚から取って
いた「ネコ専務シリーズ」の文庫本の
表紙を、ぼんやり眺めて言う。

頭が真っ白になったような顔でそのまま
しばらくぼけーっとしていたナッツだが、
ハッと我に返ると、

「あ!じゃあ、ネコ専務さんはどんな人
 ですか!? 

 やっぱり本のようなすごい人なんです
 か!?」

と興奮して尋ねてきた。

ネコガールはどう答えたものかちょっと
考えたが、そこまで好きならな~、それ
なのにさっき会えなかったのはかわい
そうだな~という思いもあり、思い切っ
てこう答えることにした。

「小説のネコ専務とは違うと思うけど、
 同じぐらい素晴らしい人よ。

 ナッツ、あなた、もしかして会って
 みたい?」