「お姉ちゃん、風呂入ってくる」

居間にいるお姉ちゃんに声をかけると
姉は廉人さんの胸を押して
ソファから落としていた

たぶんキスをしていたか
それ以上のふれあいをしていたのだろう

別にもう見慣れたしな
気にしなくていいと思う

「私も、一緒に入ろうかな」

「なら、俺も!」

廉人さんが手を挙げる

「一人で入るから!」

私は居間のドアをしめると
脱衣所に向かった

お姉ちゃん
幸せそうだな

半同棲生活って
どんな感じなんだろう

お姉ちゃんがいない夜は
狭い部屋なのに
広く感じるんだ

たぶん
寂しいんだと思う

いつも一緒に
寝ていた

貧乏で
お金がないから

家だって狭い

お姉ちゃんにまだ恋人が
いないときは
早く出ていけば
部屋が独り占めできるのにって
思ってたけど

いざいないくなると
寂しくて
寒くなる

私は広い湯船に
長い足を延ばした