「どうしようかな」

蓉子が遠い目をしながら
呟いた

まずいっ!
何か変な計画を立てられているような
気がする

それも
私と海堂彰吾を付き合わせるための
計画を練っている

絶対に邪な計画な気がする

だって
蓉子の目が輝いているもん

年下ボーイを口説くときに
計画を練る時と
同じ瞳だ

「そうそう海堂は
彼女がいないって言っていたぞ」

話題を変えようと思って
閃いた言葉を述べる

蓉子の目がきらりと光ると
口元を緩めた

私は墓穴を掘ったようだ

何も考えずに
発した言葉は
蓉子を興奮させてしまった

「本当に? よしっ!
彰吾くんゲット作戦を開始しよう」

「なんだそりゃ」

「紫音に勝ち目はあるわ」

「何の?」

「恋愛の勝利者よ」

「意味がわからん」

「私の言うとおりにすれば
マネージャになってあわよくば彰吾くんと
仲良くなろうとしている一年女子に
勝てるわ」

「勝たなくて良いし」

「勝つのよ!
勝ってこそ、愛が深まるものよ」

「勝手に妄想してなさい」

私は弁当箱を片づけると
次の授業の準備にはいった