私はピンクのジャージを見つめる

海堂彰吾の単語を整理してみる

ヤツとのジョギングで
私も走るから
ぎりぎりの枚数で生活をしている私が
哀れになったと

そういうことか?

金のある海堂彰吾が
自分の実家に連絡をして
私のジャージを買ってもらったと?

「いらない」

私はジャージを
海堂彰吾に投げつけた

「なぜ?」

「私は走らない
部活で疲れてる
ご飯を食べて
宿題をしないと」

「ピンクは嫌い?」

「そういうことじゃない」

金持ちの考えってどっか
ずれてるよな

「私を馬鹿にしてるんだろ?
貧乏で金がないから」

「何で?」

質問は私がしてるんだ

苛々してきた

私は海堂彰吾を睨む

「馬鹿にしてない
ただ一緒に走りたいから」

海堂が下を向いた
落ち込んでいるのか?

海堂彰吾の眼は
寂しそうにしていた

「紫音は貧乏なのか?」

「は?
知らなかったのか?」

「貧乏ってなんだ?」

「…もう、いい」

私は首を横に振った
なんか
どうでも良くなってきた

「じゃ、行こう」

私は
海堂彰吾が実家から送ってもらったジャージを
来てランニングをすることになった