「あ…いや
廉人さんが裸だったから」

海堂彰吾は
立っている廉人さんに視線を動かした

「本当だ」

ぼそっと呟く

「お前の持ってきた目ざまし時計が
うるさいからだろうが」

言い訳するように
廉人さんが言った

言い訳する前に
何か着てきてよって思うけど

「悪い
俺、寝起きが悪いから

何個鳴った?」

「えっと
三つかな?」

私が答えた

すると玄関から
大きな音が聞こえてきた

「これで最後だ」

海堂彰吾は立ち上がると
廊下に出て行った

「朝っぱらから
うるせえよ」

廉人さんはブツブツと
文句を言いながら
寝室に戻って行った

「ジョギングするから
紫音さんも付き合ってよ」

「え? 
ああ、うん」

海堂彰吾は
いきなりパジャマを脱ぎ始める

「え、ええ?
ちょっと…」

「何?」

「ここで着替えるの?」

「着替えちゃいけないの?」

質問に質問を返されてしまった

私は首を横に振ると、
海堂彰吾に背を向けた

見られないように着替えると
一緒に外に出て行った