「何が？」

「だから…
姉の声で目が覚めたんだろ？」

「廉兄は貪欲だから
我慢はしない」

だろうね
彼女の妹と従弟がいるなら
普通はしないだろう

それでもセックスをするというのは
我慢ができないのだ

「電気、つけるか？」

大男が質問する

「あんたが眠れなくなるだろ」

「俺はどこでも寝れる」

大男なりに気をつかって
くれたのか？

「暗くていいよ
いつもこうなんだ
試合の前日は眠れない
試合の当日は食事ができない

試合が終われば
お腹は減るし、眠くなる
だから平気」

「試合に響かないのか？」

「どうかな？
よくわからない」

「ふぅん」

「寝ていいよ
私は何をしても眠れないから」

「ん、じゃ」

海堂彰吾が布団から出ると
私が入っているベッドに
近づいてきた

「な、何？」

「一緒に寝る」

それだけ言うと
海堂彰吾は寝息を立て始めた

はやっ！
寝るの早過ぎだよ