「はい!オーケー!千尋ちゃん、10分の休憩ねぇ~。」
この時の自分は単純だった。
ただ目の前の表向きなものしか見ていなくてバカだった。
あたしがモデルを始めたのは
ただ面白そうだったから。
ただ人に自分を見てほしかったから。
だから、道端でのスカウトを快く引き受けた。
母親は応援してくれた
でも
父親にはモデルをする事は言わなかった。
言えなかった。
このころの父親は父親じゃなかった。
会社に首を切られて
新しい仕事が見つけられないからって
飲んで遊んで、むしゃくしゃしたら
あたしたちに当たる。
だから、言いたくなかった。
知られたら、あたしの自由だって取られてしまうから。
でも、どっちにしろ父親によって
あたしの自由な世界が壊されたんだ。



