少しばかり大きいけど、
もぅ何十年も経ってそうな
古びた和風の家。
「ごめんください。」
呼び鈴がなかったので
引き戸を開けたが返事はなかった。
あたしはそろそろと家に入り、
居間に向かうと外を見ている祖母の後ろ姿があった。
「やっときたか。お前の部屋は右隣だよ。」
しゃがれた声でお茶をすする。
あたしは屏風を開けると
湿った臭いがする空間だった。
そこにはたくさんの段ボールが積まれている。
「空気悪っ」
あたしは空気を入れ替えるためにふすまに開けると、
そこは
一面に広がる見渡す限りの海岸が見えた。



