山崎は手に黒いものを持ってニヤリと笑っている。
録音機だ。
「っで、俺思ったんだけど、お前がこの2年間、
通っていたのは精神科ではなく、少年院じゃねぇのか??」
山崎はあたしに近づいてきた。
「どうなんだ?」
こいつ・・・
ムカつく・・・っ
あたしは山崎の頬を平手打ちした。
山崎は大げさに腰を抜けたように震える。
「残念だけど、あんたが言ったこと半分ハズレ。」
あたしはそう言って、教室から出た。
だいたい、あんたたちみたいなガキにあたしの過去を知られてたまるか。
どうせ週刊誌のガセネタに騙されたバカ共から聞いたんだろう。
「浅見さんっ!!」
後ろから南葉君の声とともに足音も聞こえた。
「ついてこないでっ。」
あたしが怒鳴ると足音がピタリと止んだ。
あたしは一人のほうが楽だから。
「あたしは親を殺せるような汚い勇気なんて持ってないよ。」
もちろん、
この眩しくてみすぼらしい世界から立ち直る勇気も。



