一ヶ月前
そう、あのあたしを知らないヒカルくんに会った次の日
あたしはまたヒカルくんの病室に向かった。
病室には行きたくなかったけど
そこに行けば浅見千尋に絶対会える。
どうしても浅見千尋と話がしたい。
案の定、浅見千尋はそこに居た。
「浅見さん、ちょっといい?」
あたしは病室に入らずドアの前で言った。
「待って。あとちょっと。南葉くん、この人は?」
「うーんとね…」
「そんなのあとでいーから早く来て!」
つい怒鳴ってしまった。
浅見千尋はあたしを睨んでから
ヒカルくんに「ちょっと行ってくるね」と言い病室を出た。
その時、あたしはヒカルくんが
どんな顔をしているか怖くて見れなかった。
もしも…もしも、
あたしが留学なんてしていなかったら
病室のベッドの横に座っていたのは
あたしだったんだろうな…。
「なんで浅見さんが看病してんの?」
あたしはなるべく感情を出さないように冷静な口調で喋った。
「南葉くんの親に頼まれたから。」
「なにそれ意味分かんない。なんで親が出てくんの?」
「あたし、南葉くんにちょっと借り物してて、ここに来たの。
そしたら、南葉くんの母親が
“ここに来て輝のリハビリに手伝ってくれる?”って。」
そっか…リハビリを頼まれたのか…。



