あたしの予想は外れた。
たくさんの女子に追いかけまわされ
辿り着いたのがイギリスかい?と聞くと
「違いますぅ~☆」とデコピンされた。
修学旅行でここに来たんだって。
さすが名門の私立高校。
公立の中で節約肌の蒼里とかケタが違いすぎる。
(なんせ旅行先が地元の歴史史料館で、
すでに修学旅行ではなく校外学習と呼ばれているからだ。)
そういや…この人、幸と付き合ってたんだっけ。
「幸とどうですか?」
歩く歩幅を合わせていたら急に一ノ瀬悠介の足が止まる。
「えっ?…幸の知り合いなの?」
「はい…。」
知り合いと言えば知り合い。
(だけど、前に会った時にメアド交換するの忘れたんだよね(泣))
「そっかぁ。」
一ノ瀬悠介は少し困り顔で笑う。
「幸、元気ですか?」
「うーん…、夏大終わってからすぐに修学旅行でこっち来ちゃったから分かんない。」
夏大…。
そういえば、留学のせいで夏大会にも文化祭にも出られなかった。
「幸から…聞かなかった?」
一ノ瀬悠介はさっきまで見せていた顔とは違う。
笑っているようで目が笑ってない。
「なにが?」
あたしは恐る恐る聞いてみた。
自然と声が震えた。
一ノ瀬悠介はわざと顔をそむけた。
「俺…幸と別れるんだ…。」
その言葉はどんなに小さな声で言っても
あたしの中では重く沈むような言葉だった。



