~Thihiro~
文化祭で、ポニーテールの女の子(名前は新井幸というらしい)に会い、
いろいろな事を聞いた。
南葉くんと幸は同じ学校だったらしい。
それで、幸が事故で足を怪我した時も一緒に居たらしい。
しかし、南葉くんは突然の転校だったらしい…。
≪大切な人を大切な時に見放しちゃったんだ。
それ以来、困っている人を見るとほうっておくのが辛い。≫
あれは…南葉くんが惜しんだ証拠だったのか。
だとしても、南葉くんには鈴浦さんがいる。
もぅ・・・悔しむ事や悲しむ事はない・・・。
「南葉くんって途中まで一緒の道だよね?」
帰りに一緒に帰ろうと誘った。
南葉くんは躊躇したけど、
“相談事がある”と言ったら、ためらいながらもうなずいてくれた。
会話は一応、成り立った。
勉強やクラスの事が多かったけど。
そして、あたしは告白する決心をした。
「鈴浦さんが居ない間、一緒に居ちゃダメかな・・・?」
浮気をさせようとしてる言い方かもしれない。
でも、もしも鈴浦夕実の居ない間、代わりになれるのならそれでいい。
南葉くんが一緒に居てくれる理由がどうであれ
一緒に居るのは変わりない。
「ごめん・・・。」
でも、許されなかった。
南葉くんはあたしの顔を見ずに言った。
そう…だよね、考えが甘かった。
代わりなんて…出来ないよね・・・。
「用事思い出したから先帰るね。バイバイ。」
あたしは逃げ去るよう早口で伝え、
その場を去った。
伝える事は伝えた。
もうこれで悔いはない。
悔いは…ない。



