「今日優衣と帰るから無理!」

 千紗は再び啓輔に視線を戻し「椎葉ちゃんなら仕方ないわ」と呟いた。

「で、なんなんだよ。千紗」

 逃げられないと悟ったのか、それともお昼のイライラからくるものか。啓輔は明らかに不機嫌。

「生徒会!年末に次の代に受け継がなくちゃならないでしょう?私達の代、人数少ないのに仕事が多すぎなのよ。受け継ぎまでに残ってる仕事全部片付けろとか……終わらないわ。
まぁ、祥也より使えないけど、いないよりかはましだから、啓輔手伝ってちょうだい」

「なんだよそれ……。自分が役員集めなかったんが悪ぃんだろ」

 盛大に舌打ちをする啓輔なんてシカトのご様子の千紗は「みどり〜。啓輔確保」と電話をしていた。

「生徒会長は大変だね、千紗」

 この高校の生徒会は指名制度。

 例えば、今の生徒会長は千紗だから次の代の生徒会長は千紗が指名して、その指名された人が就任すると言った感じ。

 それに、会長の意志で役員を増やしたりできる。

 つまり現在の生徒会メンバーの人数が少ないのは会長の千紗が役員を増やさなかったから。

 だから今の生徒会は、会長、副会長、会計、書記の4人しかいない。