『ねえ。リサとジョンは舞希を連れて帰ろうとした。 それを、あたしは舞希に言わないわ。その代わり。ちょっと協力してくれないかしら』

『………あははっ!!さすが、梨海ね。それで、何を企んでいるの?』

 ふわっふわっと髪の毛を揺らすリサは新しいオモチャを見つけた子犬のように目を輝かせている。

『ジョン。舞希に告白して?』

『…………』

『…………』

『はあっ?!おめえ、頭平気かよっ』

『もちろん。そうねぇ……あたしたちの目の前で。うーん、正確には舞希の好きな人の前で――って言った方がはやいかしら?』

 慌てるジョンに微笑みかけ、リサを見れば、ニヤリと笑んでいた。

『それで、彼を焦らせてふたりをくっつける、ってわけね!梨海っ』

『なんで俺が――』

 すでに呆れたモードに突入しそうなジョンの言葉をあたしが遮った。

『そのついでに、限度はあるけど好き放題しちゃっても良いわよ?もしかしたら、舞希の気が変わるかもしれないし?』

 まあ、あたし的にはどっちとくっつこうが、舞希が幸せならいいのよ。

 選択肢を広げてあげないと。岩佐先輩とジョン。微妙にキャラが被ってるとことか、おもしろそうじゃない。