チュンチュン…

       ピピッ、ピピッ…


窓の外からは、
小鳥の囀りが聞こえ、
朝日が射し込んでいる。

枕元では、目覚まし時計が
可愛らしく朝を告げている。

そんな事はどうでもいいかの
ように、寝ている少女の名は…




「藍ぃ~~?! 早く起きなさい!!」

「ふぁ~い…」


『日高 藍 ヒダカ アイ』―――
高校1年生。




「全く…目覚まし時計が鳴っているというのに…」

お母さんはいつものように、文句を言っている。

「しょうがないじゃん! 学校は毎日! 部活は休みの日まで
 ある! …疲れ溜まるの!!」

「そんなの、当たり前の事でしょ!?
 いいから、早くごはん食べて学校行く!
 それとこれ! お弁当忘れないでよ!」

「わかってる!」

私は、少し強めに返事し、
パンを銜え、お弁当を持って
自分の部屋に戻った。

制服に着替え、鞄を持ち、外へ飛び出した。


「行ってきます!!」

バタンッ!

「ぁあ~~… 今日の風は気持ちぃ~!!」

「藍~! おはよ~う!!」

この子は、『南 華鈴 ミナミ カリン』――― 
小学生からの親友だ。

「ん? あっ、華鈴! おはよ!」

「ねぇ、知ってる? B組の咲永さん、
 C組の本莉君が好きなんだって~!!」

「えぇ~?! そうなんだ~」

「何か、咲永さんのタイプじゃなさそう
 に思ってた!」

「うちも~」

……

私たちは、恋バナはもちろん、
たくさんの話をして学校へ向かった。