「柴崎くんって、かっこいいよね」
 ひとつ前の席に座っている樹里が、いすごとあたしの方を向いて言った。
「えー……なんかさ、ちゃらくない?」
「だって都会から来たんでしょ?都会ではふつうなんじゃないの」
 ……樹里は都会にどんなイメージを抱いているのか。

 そんな風に二人で話していると、ふと視線を感じた。振り向くと、静くんと目が合った。
 次の瞬間には、さっと目をそらされた。なんなの。