コーヒーは苦手なので、普段は飲まない。コーヒーのことを詳しく知る機会すらない。
だから、ラテがコーヒーだってことすら、この16年間、私は全く知らなかった。恥ずかしくて人には言えないけど。
甘味をつけ、たっぷりのミルクやキャラメルが混ぜられたそれでさえ、私は口中いっぱいにに苦味を感じた。思わず顔をしかめたけど、玲華ちゃんと静くんはそれに気がついていないようだった。
「玲華ちゃんは、奈子ちゃんと同じクラスなのかー」
「玲華でいいよ。玲華も静斗って呼んでいい?」
その後も二人は、楽しげに話していた。時々玲華ちゃんが体を少し揺らして笑うと、ふんわりと巻かれた髪から、甘い香りがする。
こんなに二人で盛り上がるなら、おいてけぼりの私はもう帰ってもいいのかな。
……て、いうか、
「静くんは、なんでここに?東京からわざわざ来たの?」
おずおずとたずねると静くんは、あぁそうだ、と思い出したように言った。
「俺、こっちに帰ってくるんだ」
だから、ラテがコーヒーだってことすら、この16年間、私は全く知らなかった。恥ずかしくて人には言えないけど。
甘味をつけ、たっぷりのミルクやキャラメルが混ぜられたそれでさえ、私は口中いっぱいにに苦味を感じた。思わず顔をしかめたけど、玲華ちゃんと静くんはそれに気がついていないようだった。
「玲華ちゃんは、奈子ちゃんと同じクラスなのかー」
「玲華でいいよ。玲華も静斗って呼んでいい?」
その後も二人は、楽しげに話していた。時々玲華ちゃんが体を少し揺らして笑うと、ふんわりと巻かれた髪から、甘い香りがする。
こんなに二人で盛り上がるなら、おいてけぼりの私はもう帰ってもいいのかな。
……て、いうか、
「静くんは、なんでここに?東京からわざわざ来たの?」
おずおずとたずねると静くんは、あぁそうだ、と思い出したように言った。
「俺、こっちに帰ってくるんだ」

