桜色レモン味

 ぎりぎり、間に合った。
「あ、カップケーキ大丈夫かな」
 かばんから出すと、可愛らしくデコレーションされていたケーキは斜めに傾き崩れてしまっていた。
「また買ってやるよ」
「ほんと?ありがとう」

「二人で教室入るの、なんだか恥ずかしいね」
「じゃー奈子ちゃんさき入りなよ」
「うん、そうする」