次の日も、静くんは公園に来ていた。
「髪の毛、」
 ここまで言って言葉が詰まる。私は悲しいくらいに話すのが下手になってしまった。でも、今日は昨日よりもちゃんと話ができる気がする。
「ん?」
「明日、校風検査だけど、髪の毛どうするの?」
「あぁ、そんなのあるんだ」

 静くんはちょっと考えて、こう言った。

「スプレーで誤魔化そうと思うんだけど、やってくれない?」