その2日後から引っ越しの日までの数年間、静くんは私の後をついて歩いていた。
 小さくて、繊細な子だった。
 ……あんなに変わってしまったけど。

「あー、なんだかな」
「なにが?」
「だから、って、えぇ!?」
 いつの間にか、静くんがいた。ブランコに座った彼は、唐突に話題をふった。
「懐かしいな、この公園」
「そうだね」
「取り壊されるんだって、ここ」
「……そうなんだ」