「いーじゃん、暇なら来たら?」
気が付けば、そう言っていた。
はっとして美菜を見ると、「い、行く行く!」と笑顔でそう言っていた。
「ひ、久し振りだね。二人で歩くの」
コンビニからの帰り道、美菜はまるでやっと思いついた会話をするように、そう言った。
「あー、夏はお前忙しかったもんな。4日くらいしかいられなかったじゃん」
俺は可笑しくて笑ってしまいそうな衝動を抑えて、そう返答した。
「うん、だから今回は前よりもいられるよー」
そう言って美菜は笑った。
つい俺も嬉しくなって、自然に笑みがこぼれ、そっか、と呟いた。
「……ねぇ、キョーちゃん」
不意に、美菜がそう言って俺を呼び止めた。
俺も立ち止まって、美菜を振り返った。
美菜に視線は下を向いていて、俺と目を合わせようとはしなかった。
「……んーん、なんでもない。
それよりキョーちゃん、変わってないねぇ」
どうしたのか、美菜は話を逸らそうとして、無理をしているように作り笑いを浮かべた。
…確かに俺は、変わってないだろう。
だけど美菜は、変わったよ。
