小さな箱をあけてみる。
ほら。
夢なんかじゃなかった・・・。
二人が私に
教えてくれたんだよね?
箱の中には
キラキラ輝く指輪。
と手紙らしき紙。
『琴音へ
昨日はごめんね。
女子になんかされるとか
考えすぎだよね。
ホントごめん。
これからも一緒にいようね。
勇より』
『琴音
昨日は悪かった。
女子になんかされても
俺が守ってやる。
だから一緒に帰るぞ。
亮』
「二人ともばかだよ・・・。
死んじゃったらなんにも
できないじゃんよ。」
手紙を握りしめる。
鼻をすすりながら
指輪を右手の薬指にはめた。
「あれ・・?」
指輪の下にもう1枚の紙。
『俺達二人は
琴音のことが好きです。
琴音のことだから
どっちか選べないと思うから
二人と付き合え。』
「ばか・・・。
生まれ変わってきたら
付き合ってあげるよ。
二人いっぺにね。」
私は手紙に笑いかけた。
空は雲ひとつないいい天気。
「いつも私が一番最後じゃん。」
私の心の瞳は
二人を忘れることはない。
おばあちゃんになっても
きっとまた二人に
会うために・・・。

