お母さんも売店から帰ってきて
仕事に行っていた
亮と勇の親たちも急いで来た。
みんな倒れそうな私を支えて
泣いていた。
私はもう涙でないよ。
けれど私の目からは
涙が流れ続けた。
その晩は
みんなで病室に泊まった。
その晩私は二人と話した。
「琴音。琴音の家の
郵便受けを見て。」
「あれ?亮ちゃん。勇ちゃん
郵便受け?なんかあるの?」
「じゃあな。琴音。」
「ばいばい。琴音。」
二人はほほ笑んで私の前から消えた。
「まって・・・。」
ガバッ!
「夢・・・?」
目をこする。
「失礼します!」
お医者さんが病室に入ってくる。
すでにみんな起きていた。
二人は起きてない・・・。
「残念ですが・・・。」
お医者さんが小さな声で言った。
みんな泣き崩れる。
二人はもう二度と起きない・・・。
私も目から大粒の涙がこぼれた。
あれは夢・・・
「郵便受け!!
お母さん!私ちょっと行ってくる!」
「どこいくのよ!」
あれはただの夢?
・・・ううん。
ただの夢なんかじゃない。
私は車で10分の道を
20分かけて走ってきて
自分の家の郵便受けを開けて
郵便受けの中に入っていた
1つの小さな箱を手に取っていた。

