私たちの高校は
私たちが通っていた

幼稚園の隣にあった。


なつかしい風景。


そういえばこの辺
通ってなかったな・・・。



小さな公園が見える。

よくここで3人で遊んだっけ。




「なつかしぃ~。」




「琴音!なに止まってんだよ!遅刻すんぞ」
亮ちゃんが後ろを振り返って
こっちをにらんでる・・・。


ヤンキーのにらみ顔は迫力あるな。

だけど亮ちゃんがヤンキーってのが笑える。


幼稚園の時、毎日泣いてたくせに。



一人でニヤニヤしながら二人の所まで

走って行く。



「琴音。遅刻しちゃうからね?」

勇ちゃんが優しく言う。


「はーい。」


勇ちゃんは昔から優しいんだよね。

でも幼稚園の時
よく亮ちゃんを泣かしてたな・・・。

また笑いが込み上げてくる。






人って変わるもんだ。










そう・・・

人は変わるものだった。





















自分たちと同じ制服を着た子達が

私のペースに合わせてゆっくり歩く
私たちをドンドンぬかしていく。



「琴音のせいで一番に学校に行くって夢こわれた。」
亮ちゃんが空を見上げてため息をつく。


「ぷっ。」
勇ちゃんが笑った。



勇ちゃんがこんなに笑うの久々かも。


「何笑ってんだよ!」
亮ちゃんの顔が赤くなる。



私は一生懸命笑いをこらえる
勇ちゃんを見ていた。



「亮も子供だなって思って。」





照れる亮ちゃん。

笑う勇ちゃん。


そんな二人を見て笑う私。




やっぱり仲がいいんだな。
って思う。














温かい風が吹いた。









可愛いくまさんの門の幼稚園の隣に



学校。って感じの門が見えた。




あそこが私たちの高校。








私達の思い出の学校。