家に帰って
部屋でずっと泣いた。
親が心配したから
失恋したって嘘ついておいた。
翌朝
「今日は土曜日か・・・。
よかった学校休みで。」
目が腫れた自分の顔を
見ながらつぶやいた。
自分では
昨日の不幸を忘れたつもりだった。
そう簡単に忘れられないものなのに。
「お母さぁ~ん~朝ご飯まだぁ?」
「あんたすっかり元気になったのね。」
「おかげさまでね★」
お母さんがニタリと笑った。
「元気なら部屋の片づけしなさいよ。」
「え・・・。」
散らかった自分の部屋・・・。
整理整とんが苦手な私・・・。
片づけは嫌い中の嫌い。
朝ご飯を食べてからしかたなく
片付けを始める。
「きたなぃ・・・。」
机の引き出しを片付ける。
「あ。」
亮と勇と私で映っている
秘密基地に置いておいた写真
が出てきた。
3人とも笑ってる・・・。
「亮ちゃん・・・
勇ちゃん・・・。」
幼い時から今までの
3人の思い出が頭に流れる。
「こんだけ一緒にいれば
喧嘩もするよね・・・。
ごめんね。」
涙があふれ出す。
やっぱり仲のいい3人が
いい・・・。
気づけば走り出していた。
「ちょっと琴音!どこいくの?」
「すぐ戻る~」
ピンポーン
隣の亮の家の呼び鈴を鳴らす。
「・・・いないのかな?」
ちょっと歩いて
ピーンポーン
勇の家の呼び鈴を鳴らす。
「・・・いない。」
せっかく謝ろうと思ったのに。
「また今度にするかぁ・・・。」