無我夢中で
家とは逆の方向に走っていた。

前方に学校が見える。

女に囲まれて歩く
亮と勇が見える・・・。



全力で二人の横を走り抜けた。




「はぁはぁ・・・。」
だいぶ走っただろう。

立ち止まったところは
見慣れない景色。


「琴音!!」
亮と勇が近づいてくる。

あとを追ってきたんだ。

「琴音なんかあったのか?」

「なんかあったのかじゃないよ。」
他人事みたいに言って
二人にだって関係あるんだよ。

涙があふれ出す。
「琴音・・。
女と居たこと怒ってんの?」

それもそうだけど・・・
なんか違う・・。

「なんでもないから。
二人は先に帰ってよ。」

「女と居たのは悪いと思う。
だけど、あいつらの前で
琴音と一緒に帰ったら
あいつらが琴音になんかするんじゃねえか
って思ってさ・・・。」


聞きたくない・・・。

「そんな言い訳聞きたくない!
もういいから、帰って。」

「こんなとこに
お前のこして帰れるかよ!」


「一人にさせてよっ!」

「分かったよ。
だけどせめて家まで送らせろ。」







私たち3人は一言もしゃべらず
家に帰った。