声がした方を見ると
俊一が立っていた。

あわてて涙をふく。

「琴音ちゃん大丈夫?」

俊一が寄ってくる。

「大丈夫だよ。」



「幼なじみのことでしょ。」



「なんでもないよ。
気にしないで・・・。」







ぎゅ・・・。


え!?


俊一が私を力強く抱きしめる。



「気にするよ・・・。
大好きな人がないてるんだもん。

琴音ちゃん好きです・・・。」


「えっ?」

「ホントだよ?だから俺は
たまらなく亮と勇がニクイ・・・
そんでこないだ、二人に
琴音ちゃんを大切にしないなら
琴音ちゃんは俺のものにするって
言ったよ・・・。」



「え…?」


「断っても無駄だよ。
琴音ちゃんは俺のものだから。」



ドスッ!!

「やだっ!やめてっ。」

木の陰に倒され、
体の上に乗っかられる・・・。


ダメ・・・動けない!


「たまらなく好きなんだよ・・・。」


こんなの俊一じゃないよ・・・。



俊一の顔が近づいてくる。


動けない・・・。



ちゅ・・・。

唇が強く重なり合う。



涙がでてきた。

「やめ・・やだっ・・・」

「どんなに抵抗したって
琴音ちゃんは俺のものなんだよ。」


俊一は私の制服を脱がせようとする。


「いやぁぁ!!」



だれも助けてくれない
亮ちゃんも勇ちゃんも・・・

助けてくれない。


自分でなんとかするしか・・・




「やめてっ!!」

ドンっ!

力いっぱい俊一を押し飛ばした。


そして走る。

走って走って・・・。
走った・・・。

無我夢中で家とは逆の方向に
走っていた。



前方に学校が見える・・・。


前方に亮と勇が見える・・・。

女と歩いている二人が見える。



二人の横を突っ走る。





こんなときでも空は輝いていた。