「うん。バカだよ」
目の前の柏木は下向いてクスクス笑ってた。
何がおかしい!
「認めてどうすんの」
「だって本当にバカだなって思って。二度も三田さんに本気にさせられるなんて」
「本気にさせた?あたしが?どういうこと?」
「ほら、こんなハテナだらけの人に教えられたなんて……やっぱり僕はバカだ」
柏木はさっきより大きく笑う。
笑う柏木を見て気持ちがちょっと明るくなった。
そんでちょっと腹立ったけど。
「笑わなくていいから!で?どういうこと?」
「昨日とね。あと三か月前。三田さんに本気にさせられた」
「昨日……と……三か月前?」
出会ったばっかのときじゃん。

