恋の唄




ペタンッ。


力が抜けて、その場に座り込んでしまった。


足が冷たい。

感覚はあるけど、どうにもこうにも座ってたい。



いつも柏木がギター抱えて歌ってる、その場所を見つめるしかできなかった。




……その時……


「何やってんの?三田さん」




後ろから扉が開いたかと思うと、とぼけた声がした。


え!!?


ガバッと勢い良く振り向くと……


そこにはやっぱりとぼけた顔した柏木がギター背負って立っていた。



「柏木!!あんた遅い!」



頭で考えるより先に口で柏木を怒鳴ってた。