恋の唄




「めずらし……」


柏木より早く音楽室に来たのは初めてだ。



音が何もなくて。

いつもの影もなくて。



……ただ光だけが溢れてる。


窓が開いてて……フワッて揺れるカーテンだけが時の流れを感じさせてくれた。



「柏木のくせに……」



あたしが会いたい時にいないなんて。


バカ。生意気だよ。



ってあたしは柏木に何を望んでたんだか。

何期待してんだか。


わかんないけど……今……孤独を感じてる。


全身の力が抜ける……。