待ちわびた放課後になった瞬間、あたしは教室を飛び出した。 今日は珍しく担任追って来ない。 諦めたか? それとも母親と一緒で呆れたか? ……あたし……見放されたのか? でもいいや。 なんかもう。 今は柏木、柏木、柏木。 「柏木っ!!」 バタンッて音楽室の扉が閉まる前に柏木の名前呼んでやった。 のに! のに、アイツいないし……。