こんこん、と病室のドアが軽くノックされた。 「山崎さん、ちょっとよろしいでしょうか」 「看護婦さんだわ」お母さんは小さく呟いて、ドアに駆け寄る。 ドアを開くと、そこには彼女の予想通り、白いナース服を着たお姉さんが立っていた。 なにやら話し込んでいる。 といっても、私の怪我のことなのだろうけど。 「千郷、ちょっとお母さん、お医者さまとお話してくるから。一人で大丈夫?」 ちょっと子ども扱いしないでよ、と言うと、お母さんはちょっと微笑みながら病室を出て行った。