夏の風が舞う。
チリンチリンと風鈴が優雅な音をたてて、仄かに揺れる。

夏が来た。


七海 未代!15才!
今年の夏こそ恋してみせます☆

ってことであたしは早速幼なじみの留衣を相談に乗ってもらうためカフェに呼び
出した。
「…すれば?」
「へ?」
予想外の返答。

「わざわざ“緊急時態”って未代が電話したから、すっとんで来たのにまたそん
なこと?」
「うん」
あたしはこくりと頷いてジュースを飲んだ。
「え、ダメ?」
「いや…ダメじゃないけど」
留衣は苦笑いを浮かべる。