明日晴れたら

交わる拳と拳。
飛び交う蹴り。
とうとう男達はどこから持ってきたか、パイプを手にしてケンカを始めた。
…凄い。ケンカって生で初めて見たけど、壮絶だ。
鈍い音が響き、誰か分からない悲鳴が上がる。
ドキドキして、見ているこっちが不安になる。
でも、どうすることも出来ない。


気が付けば、ケンカは終わっていた。
倒れているのは、男達。


ただ一人で凛と立っているのは、少年?
あたしは無意識に少年に向かって歩き出していた。
「あの」
あたしが声をかけると彼はくいっとあたしを見た。
何も出来ないけど、これだけでも。あたしはさっき買ったお茶を彼に差し出した

彼は無言で受け取った。
その際に、顔が見える。