教室のドアに目をやると、瞬くんが申し訳なさそうに立っていた。
頭からハテナをだす転校生をおいて、あたしは瞬くんのほうへ歩いた。
「どうしたの?」
「呼び出してごめん。今平気?」
「ぜんぜん大丈夫。教室にくるなんて、なにかあったの?」
瞬くんがあたしのクラスに来るなんて、普段ならありえない。
絶対、なにかあったんだ。
瞬くんが小さく口を開いた。
「・・・今日、帰れなくなったんだ。本当にごめん。」
「・・・そっか。大丈夫だよ。そんなにあやまんないで。」
大丈夫だよ。
そう言って、悲しい顔をする瞬くんをなぐさめた。
実を言えば、かなり悲しかったし残念だったけど、
瞬くんもそんな顔するから、あたしだけじゃないんだと、
少し、気持ちが軽くなった。

