「・・・なぁ、万琳。」

・・・今、なんて言った?

初対面で呼び捨てとか、ありえない。
さすがに頭にきたもんだから、今回はシカトした。
そんなあたしを見ぬいたらしく、前の席のはななが話しかけてくれた。

「万琳、どしたの?」

「・・・ちょっとね。」

今のあたし、おでこに絶対怒りマークがついてる。

あたしのこと、呼び捨てしていいのは、


・・・瞬くんだけ。(男子で)

「えっ、何、もしかして、呼び捨てしたこと起こってんの?」

めっちゃビックリする転校生。
か、勘は鋭い。

「別にいいじゃん!そんなこと。
だったら俺のことも、杏弥って呼んでよ。」

はぁ?!

彼氏の瞬くんでさえ「くん」付けなのに、
今日あったばかりの転校生を呼び捨てなんて、
できるわけないでしょ!!!