「お先に失礼しまーす」
 店の奥から着替え終えた2人が出てきた。リンの私服姿にマキオはまたドキッとした。
(制服もイイけど私服もイイなぁ……)
「リンちゃん、俺が送ってあげようか?」
 リュウがリンに声を掛けた。
「ケッコーです。リンは私が送っていきますから」
 すかさずカナがあしらう。
「夜道は危険だから。痴漢に襲われるかもしれないしだな。ま、お前の心配はしてないけど」
 リュウの応戦。
「なによそれ! お兄ちゃんの方がよっぽど危険よ! リン! 行こっ!」
「う、うん。で、でも……」
「いいのよ、あんなバカ。ABC兵器より危険なんだから」
「A!? 兵器ってなんだよ! 俺に人類に危害を及ぼすほどの力なんてねぇぞ!」
「あったりまえじゃない! わかってるわよ、そんなこと。モノの例えよ。た・と・え。バッカじゃない!?」
「テメッ! さっきから人のことバカバカって」
「あーコワいコワい。バカがうつらないうちに早く帰りましょ」
「くっ……!!」
 カナの勝利。カナはリンの手を引いて店を出ていった。