2008年11月17日(月)
 授業を終えて帰路についたマキオはキャンパス内を歩いていた。
(なんだったんだ、あのベタロック野郎は。大っ嫌いなんだよ、ああいう野蛮な人種が。とんだ災難だよ。まったく……。“オマエも頑張れよ”だと? オマエも? オマエも? オマエもぉ!? ジミー大西かよ! 冗談じゃない! 一緒にしてくれるなっつーの!)
「オイ! おーいマキオ。御手洗真樹夫!」
 後方から誰かの呼ぶ声がする。この学校に友達なんていないはずなのに……。マキオは恐る恐る振り向いた。
(誰……!?)
 作業着姿で一瞬わからなかったが、すぐにそれがあの男だと気づいた。
「ベタロック野郎!!」
(な、なんで!? なんでアイツがここにいるんだ!)