マキオは驚きのあまり声が出た。心臓はさらに速くなり、顔の表情が変わる。
「さっき容疑者が指名手配されてね。名前は木嶋悟史三31歳。君のお父さんのかつての教え子だ」
 マキオは驚きのあまり声も出なかった。もはや平静ではいられない。
「で、でも、犯人は中年の男だって……」
 取り繕おうとすればするほどマキオの動揺が近藤には手に取るようにわかった。
「それがそうなんだよ。どうしてお父さんは嘘の証言をしたんだろうねぇ?」
「……」