マキオは受験票を手にした右手で握り潰した。茫然自失――無理もない。生まれてこの方、挫折を知らない人間が初めて味わわされる屈辱。奈落の底に突き落とされる感覚。描いた未来図は黒く塗り潰され、そこに広がるのは暗く深い“闇”――。