マキオが意識を戻した。
「あれ?」
 気がつくとベンチに座らされていた。
「おっ、気がついたか」
 右隣にはリュウが座っていた。
「リュウ!?」
「お前大丈夫か?」
 あたりを見回すマキオ。
「ショウさんは?」
「もうとっくに帰ったよ」
 マキオはここまでの記憶を辿った。
「思い出せない……」
「そりゃそうだろ。ショウに殴られて気ぃ失ってたんだから」
 思い出したようにマキオが叫んだ。
「リンちゃん!」
「安心しろよ。あれはウソ。ショウの作り話だ」
「そうなの!?」
「ああ」
「よかったぁ……」
「はは。お前マジでリンちゃんに惚れてんな」
「そんな……別に……」
「隠すなって。そう、隠すことじゃねぇ……。もう……隠さねぇから……」
「リュウ……?」