「美香、今日は学校どうするの?」

お母さんの声がドアの向こうから聞こえた。

「…行かない」

私は答えた。

お母さんのため息が小さく聞こえる。

「分かった。じゃあ電話しておくね」

この瞬間、私はいつも心で謝るんだ。

―ごめんねお母さん。甘えてばっかで。学校へ行かなくて。

そう思うと私はカッターを手に取る。

そして刃を手首に当てて、そっと引く。

赤い血がポタリと手首を伝い床へ落ちる。

こうしていると落ち着く。

自分への罰を下しているみたいで。

でも―

私はこんなことしかできない自分が惨めだった。