「ほら。」 何事もなかったかのように、 まだしゃがんでいるあたしに 手を差し出す。 …………。 …『ほら』 じゃないでしょ! べ、別に 期待してなかったけど!! 何なのコイツ! そう思いつつ ちょっとだけ 翔を睨んでから 翔の手をとって立ち上がる。 翔はあたしが立つと、 玄関の扉を開けた。 ・